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最終更新日:2019/05/17

犬が椎間板ヘルニアになる前に知っておきたい予備知識

上目遣いの子犬
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椎間板ヘルニアってどんな病気?

脊椎
椎間板とは、背骨を構成する骨と骨の間に存在し、骨同士のクッションのような役割を果たす組織です。

その椎間板が何らかの原因によって変形・突出し、脊髄を通る神経を圧迫してしまう病気が椎間板ヘルニアです。

起こりやすい犬種

様々な犬
椎間板ヘルニアは、軟骨異栄養性犬種に多いといわれています。

軟骨異栄養性犬種とは、軟骨異栄養症(骨の成長が悪くなる病気)を起こしやすい犬種のことです。

軟骨異栄養性犬種
ミニチュアダックスフンド
ウェルシュ・コーギー
フレンチ・ブルドック
トイ・プードル
シーズー
パピヨン
チワワ
ヨークシャー・テリア
ビーグル
ペキニーズ
ラサアプソ
コッカー・スパニエル
パグ
バセット・ハント
ポメラニアン
キャバリア
ジャック・ラッセル・テリア

通常、骨は成長した軟骨の一部が骨に変わることで太く長く伸びていきます。

しかし、軟骨異栄養症によって軟骨がうまく骨に変化できなくなってしまうと、骨の構造に異常が起こって、椎間板ヘルニアを含む様々な病気を引き起こしてしまうといわれています。

犬が見せるサイン

ダックスフンド(子犬)
椎間板ヘルニアの疑いがある場合、次のようなサインを出していることがあります。

  • 歩き方がおかしい
  • 抱っこを嫌がる
  • 震える
  • トイレの回数が減る
  • あまり動かなくなる

室内飼育が当たり前になった現代では、固いフローリングの上での生活が中心となるため、椎間板ヘルニアにかかる犬が増えているといいます。

該当するものがありましたら、獣医師に相談してみましょう。

ヘルニアの原因

ヘルニアになってしまう原因には、次のようなものが考えられます。

食べ過ぎ

大きな骨を食べる犬
ドッグフードや食事を過剰に与えすぎると、肥満を引き起こしてしまいます。

とくに散歩が嫌いな犬は筋肉量が減り、大きくなった自分の身体を支えるだけの力も少なくなってしまいます。

筋肉で自分の体を支えられなくなると、その普段は骨が受け持つことになってしまい、椎間板の変形を引き起こしてしまうことがあります。

栄養の偏り

骨のおやつ
成長期の犬の骨は、食事から摂取した栄養素を使ってどんどん成長していきます。

子犬から成犬までは、成長につれて給餌量も増えていくと思いますが、給餌量が多いからといって栄養バランスがとれているとは限りません。

例えば、骨の成長には欠かせないカルシウム。その吸収量は、子犬と成犬とでは大きく異なります。

成犬は摂取したカルシウムから必要な分だけを吸収するといわれていますが、子犬は摂取した分の約50%も吸収するといわれています。

ライフステージ別に販売されているドッグフードもありますので、愛犬に合った食事を与えてあげるようにしましょう。

加齢によるもの

年を取ったラブラドール
年齢を重ねることで、分厚くなった線維輪(椎間板の外側の部分)が脊髄を圧迫し、ヘルニアを引き起こす場合があります。

運動量の低下やふらつき、食欲不振などの症状が加齢によるものと勘違いされやすいので、7歳を超える場合は定期健診を欠かさないようにすることが大切です。

椎間板ヘルニアを防ぐためには?

椎間板ヘルニアになりやすい生活習慣の共通点は、「腰への負担」です。

室内飼育が当たり前になりつつある中、滑りやすいフローリングで走ったり、ベッドやソファーの乗り降り、階段での移動は、犬の腰に大きな負担となってしまいます。

腰への負担を少しでも減らすために、まずは犬が過ごしやすい部屋のコーディネートを行いましょう。

  • 床にカーペットを敷く
  • ローベッド・ソファーを選ぶ
  • 階段の前にゲートを設置

まず、床にカーペットを敷くことで、犬が走っても滑りにくくなります。オススメは、少し厚みがあり、爪が引っ掛かりやすいフェルト系のカーペットです。

次にローベッド・ソファーですが、これは背の低いベッドとソファーのことです。ベッドとソファーを背の低いものにすることで、犬が乗り降りする際にかかる負担を減らすことができます。

最後に階段のゲートですが、これは階段の出入り口に設置する開閉式の柵のことです。階段は腰への負担以外に、転落の可能性もあるので、できるだけ移動させない方がいいです。どうしても階段を登らないといけない場合は、抱き上げて移動するか、転ばないように付き添ってあげましょう。

サプリメント選びのポイント

栄養摂取によって椎間板ヘルニアを完全に防止することはできませんが、軟骨や筋肉の増強に関わる成分など、健康維持に役立つ成分がいくつか存在します。

その中でも代表的なのは、グルコサミンコラーゲンです。

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よく耳にする成分なのでご存知かと思いますが、これらは軟骨を構成する物質になります。しかし、食事から摂取した分が100%利用されることはないので、吸収効率が悪いという欠点もあります。

そこで注目されているのが、N-アセチルグルコサミン非変性Ⅱ型コラーゲンです。

この2つの成分は、通常の成分に比べても高い吸収率を持っています。実際に行われた研究の中には、関節炎の緩和に役立ったという結果が報告されているものもあり、今最も注目されている成分でもあります。

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