最終更新日:2019/05/14
犬の下痢に関して知っておきたい予備知識

どの状態からが下痢なのか
便に含まれる水分量が80%以上で、泥状・水様状になった便を下痢といいます。
掴むことができないほど柔らかかったり、トイレシーツに水分が染み込んでいたりするので分かりやすいかと思います。
下痢を引き起こす原因
犬が下痢をする原因は、大きく分けると次の4つに分類されます。
- ウイルスや細菌などの感染
- 腫瘍や内臓疾患
- 腸内環境の乱れ
- 暴飲暴食
その中には、普段の生活環境や習慣が悪影響を与えているものがありますので、いくつかご紹介します。
室温が低い
蒸し暑い夏場には欠かせないクーラーですが、極端に温度を下げてしまうと、犬の体が冷えきって下痢をすることがあります。
飼い犬に適した温度は、犬種によって変わりますが、24度程度を基準に、愛犬の様子を見ながら調整してあげましょう。
中毒によるもの
人間が口にする食べ物の中には、犬にとっては毒になってしまうものがあります。
- 犬が中毒を起こす食べ物
- チョコレート類
- カフェインを含む物
- ナッツ類
- ネギ類
- アルコール類
- ふどう
- アボカド
これらの食べ物を犬が摂取すると、中毒症状として下痢を引き起こすことがありますので、ご注意ください。
ストレスによるもの
犬も人間と同じように、ストレスによって自律神経が乱れて、お腹を下すことがあります。
犬が感じやすいストレスには、次のようなものがあります。
- パトカーや消防車などのサイレン
- 見慣れない同居人の増加
- 部屋が寒い・暑い
- 引っ越しや模様替えによる環境の変化
- 飼育動物の増加
また、ストレスを感じたときに、犬によってはサインを出すことがあります。
- 震える
- 尻尾を足に絡める
- トイレに失敗する
他にも普段は見せないような動きを見せた場合は、それまでに生活環境の変化がなかったか振り返り、ストレスの原因を取り除いてあげましょう。
酸化したドッグフード
慢性的な下痢が続く場合は、普段、ドッグフードがの酸化が原因となっていることあります。
とくに最近では、無添加のドッグフードが流行っているので酸化が進みやすくなっています。
ドッグフードの酸化を防ぐためには、次の3点を守ることが大切です。
- 空気を抜いて密閉保管する
- 湿気の少ない場所で保管する
- 器や計量スプーンは毎回洗う
ジッパーのついていないフードを与えている場合は、1食分ずつジップロックに詰めて保管することで、酸化しにくい状態を保つことができます。
また、給餌に使用したお皿や、計量スプーンについた油も酸化しますので、毎回キレイに洗ってあげるようにしましょう。
病院に行くタイミング
下痢は犬が起こしやすい症状なので、まずは数日間、様子を見てみるという方が多いです。
実際に、生活環境や食生活の見直しによって改善することもありますし、ストレス性のものもありますので、いつの間にか治ってたというケースもあります。
しかし、下痢は様々な病気のサインでもありますので、次の項目を見逃さないように注意してください。
- 異物を飲み込んだ可能性がある
- 便に血が混じっている
- 下痢以外(嘔吐や発熱)などの症状がある
- 生活環境や食生活の見直しを行っても改善せず、長引いている
上記の項目が1つでも当てはまる場合は、病院の治療を受けるようにしましょう。
下痢しないようにするには
まずはじめに、愛犬が過度なストレスを溜めない生活が送れるようにしてあげましょう。とくに誤飲してしまいそうな物を周囲に置かないことと清潔な生活環境の管理には細心の注意を払ってください。
そして、普段の生活の中での些細な変化や、あまり見ない「しぐさ」など犬が発するサインを見逃さないように、注意深く観察してあげることも大切です。
食事の面では、給餌量とカロリーのバランスがちゃんと取れているのかを確認するために、定期的に体重測定を行うことをオススメします。
とくに複数のフードをローテーションされている場合は、フードによって栄養やカロリーが異なりますので、いつものフードを同じ量を与えてしまうと栄養バランスの偏りや腸内環境の乱れによって、下痢を引き起こしてしまうこともありますので、ご注意ください。
サプリメント選びのポイント
下痢の原因のひとつである「腸内環境の乱れ」を避けるためには、悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす食生活をおくることが大切です。
そのために役立つのは、善玉菌の餌となる「食物繊維」や「オリゴ糖」です。
食物繊維やオリゴ糖は、ドッグフードに配合されているものも多数ありますので、そうしたドッグフードを選ぶことで毎日手軽に摂取することができます。
それともう1つ、腸内環境を整えるのに役立つ成分が善玉菌の一種である「乳酸菌」です。
乳酸菌は消化酵素によって死んでしまうから、口から摂取してもあまり意味がないといわれてきましたが、腸まで生きて届く有胞子乳酸菌や、分解されることで有用な成分を回収できるフェカリス菌など、腸に嬉しい様々な働きを持つものが発見されています。