最終更新日:2019/03/18
【犬の歯磨き】嫌がる犬の歯を磨くコツを伝授!効果的な歯磨きグッズとは?

どうして歯磨きが必要なのか
犬は、ほとんど虫歯になることがないといわれていますが、それなのにどうして歯磨きが推奨されているのか。その理由は、年々増加している歯周病を対策するためです。
歯周病とは、口内にこびりついた食べカスを餌に繁殖する細菌によって、歯茎が炎症を起こしてしまう病気です。進行が進むと、歯槽骨(歯を支える土台)や顎の骨を溶かしてしまうこともあるので、そうならないためにも犬の歯磨きが推奨されています。
ですが、小さい頃から歯磨きに慣れていない犬は、歯磨きされるのを嫌がります。なかなか歯磨きをさせてくれない愛犬に、頭を抱えている飼主さんも多いのではないでしょうか。
そこで、今回は犬の歯磨きの方法やコツ、知っておきたい便利グッズの詳細について、お伝えしていきたいと思います。
バリエーション豊かな歯磨きの方法
一言に歯磨きといっても、使用する道具や磨き方は様々です。
噛ませて汚れを落とす『歯磨きガム』
最も一般的なのは、犬に噛ませることで汚れを落とす歯磨きガムではないでしょうか。使ったことがあるという飼主さんも多いかと思います。
与えるだけでオーラルケアができるという手軽さがありますが、犬の効果的な歯磨き方法の研究にて行われた検証によると、歯磨きガムの減菌率(歯磨き前の菌数-歯磨き後の菌数/歯磨き前の菌数×100)にはバラつきがあり、検証対象の半分以上に増菌がみられたということが報告されています。(※1)
恐らく、口内の汚れがどれだけ落とせるかは、犬の噛み方に影響される部分が大きいので、バラつきがあるのだと思います。
また、丸呑みしてしまい腸閉塞を引き起こしたというケースもありますので、犬に合ったサイズのものを選ぶことと、噛ませている最中は目を離さないようにしてあげることが大切です。
私たちと同じように磨ける『歯ブラシ』
歯磨きガムの次にメジャーなのは、私たちも毎日行っている歯ブラシによる歯磨きです。
研磨剤などの有効成分を含んだ歯磨き粉や、歯磨きジェル・ペーストなども販売されていますので、私たちにやっている歯磨きとほとんど同じ要領で磨いてあげることができます。
隅々までしっかりと磨けるので、ほかのどの方法よりも減菌率が高く、歯ブラシと歯磨きペーストを使った歯磨きでは、平均で97.8%の減菌率が確認されています。(※1)
指に巻き付けて使用する『歯磨きシート』
飼主さんが直接クリーニングする方法には、歯ブラシ以外に「歯磨きシート」というものがあります。
歯磨きシートは、指に巻き付けて使用します。犬の歯に直接触れるように、指先で汚れを落としていきます。その減菌率は平均で95.7%といわれています。(※1)
歯磨きシートの巻き方
歯磨きシートの巻き方はとっても簡単。2つ折りにして、人差し指にグルグルときつめに巻くだけです。
ポイントは、先端を細く尖らせて巻くこと。こうすることで、細部までしっかりと磨くことができるようになります。
終わった後は捨てるだけなので、使用後に洗わなければならない歯ブラシのような煩わしさはありません。
その他の歯磨きグッズ
広く知られている三大歯磨きグッズは、歯磨きガム・歯ブラシ、歯磨きシートの三種類ですが、そのほかにも様々な歯磨きグッズが存在します。
例えば、噛むためのオモチャです。ゴム・シリコンで作られていて、表面に凹凸がついています。この凹凸によって、歯についた食べかすを削ぎ落すといわれています。飼主さんが直接クリーニングしなくてもいいという手軽さがありますが、歯磨きガムと同じように誤飲の可能性もありますので、注意が必要です。
そんな中、注目を集めているのが犬用ふりかけです。
口内環境に対するプロバイオティクスなど、口内を健康を保つために役立つ成分が配合されており、ドッグフードにかけて混ぜるだけで与えられる手軽さがあります。
種類によっては嗜好性を高めるための成分が配合されているものもありますので、犬にとっても美味しく楽しめるオーラルケアといえますね。
犬の歯磨きのやり方とコツ
歯磨きの方法として一番オススメしたいのは、細部に溜まった汚れまで、しっかりと掻き出せる歯ブラシです。
しかし、歯ブラシをする習慣のない犬は、歯を磨かれている間じっとしていることができなかったり、歯ブラシを噛んでしまったりと、簡単には磨かせてくれないことが多いです。
ちゃんと磨かせてくれたとしても、正しい磨き方をしないと口の中の汚れを落とし切ることができないので、どうすれば愛犬の歯をしっかりと磨けるか、ポイントをおさえながら見ていきましょう。
まずは口の中を触る練習からスタート
犬は、口の中に入ったものを無意識に噛んでしまうものです。歯ブラシを入れても噛んでしまって、なかなか磨けないという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
歯磨きに慣れさせるためには、口の中を触られても噛まずに、おとなしくさせるための練習が必要です。
まずは指で、歯の外側を触れてみましょう。
直接触るのは衛生的に良くないので、このときに「歯磨きシート」を使用すると練習しながら歯磨きができます。歯の外側は口を閉じていても磨くことができるので、犬にとっても飼主さんにとっても、歯磨きの最初のステップとしてピッタリかと思います。
口の中に指を入れられることに慣れてきたら、今度は内側です。口を開いてくれない犬に対しては、食べ物を握った拳を口に近づけることで、自然と開いてくれやすいです。
ただ、歯の外側を触られることを嫌がっていた犬は、噛みつく可能性もありますので、噛まれても心配がない手袋を着用のうえで作業を行うことをオススメします。
慣れてきたらブラシ投入!ポイントは歯茎を磨くこと
口の中に触られることに慣れてきたら、さっそく歯ブラシを使った歯磨きに挑戦してみましょう。
歯ブラシを使用する際に最も困るパターンが、歯ブラシをガシガシ噛まれることです。歯磨きシートで歯磨きに慣れた犬は噛まなかったりもするのですが、ブラシ特有の歯触りを面白く感じる犬は、ついついガシガシ噛んでしまうケースが多いです。
どうしても噛んでしまうという犬に対しては、何か別のものを噛ませつつ、その隙間からブラシを入れる方法が効果的です。その中でもとくにオススメなのは、歯磨き用に使用される『ガム』や『オモチャ』です。
歯磨きをするときのポイントは、歯だけを磨くのではなく、歯茎も一緒に磨いてあげることです。そうすると、歯ブラシの細かい先端部分が、歯茎と歯の隙間に入り込んだ汚れまで、しっかりと掻き出してくれます。
犬の歯磨きに関する質問に回答!
犬の歯磨きについて、よくある質問をまとめてみました。
歯磨き粉は使った方がいいの?
何もつけずに歯磨きをするよりも、歯磨き粉を使用した方が良いです。歯磨き粉は細かな汚れを落とす以外に、歯周病原菌を減らすことにも役立ちます。
また、犬が好むフレーバーがついたものに夢中になってくれるので、歯が磨きやすくなるというメリットもあります。
歯磨きの頻度はどのくらいがいいの?
理想でいえば、ドッグフードを与えた後は毎回磨いてあげたいところですが、それは難しいかと思いますので、1日1回は磨いてあげると良いかと思います。
犬の歯垢が歯石に変わるのは、およそ2日かかるといわれているので、2日に1回でもギリギリ間に合うのかもしれませんが、間が空くと犬が歯磨きを嫌がるようになったり、磨き残しがあったりすることもあります。
そういった可能性から見ても、やはり1日1回程度がちょうど良いでしょう。
まとめ
- 減菌率が高いのは「歯ブラシ+歯磨きペースト」
- 慣れさせていくには「歯磨きシート」がオススメ
- 噛みつき対策には専用の手袋を着用
- 最初は無理をせず、できる範囲で行うこと
- 歯だけではなく歯茎も磨くこと
以上となります。
既に歯磨きをしている方や、これから歯磨き習慣をつけたいという方にも、お役立ていただければ幸いです。